カルシウムの働きを調節し、強い骨や歯を作る
ミネラルやビタミンの吸収を助け骨粗しょう症の予防と治療にも効果的
骨や歯の材料となるのは、カルシウムやリンなどのミネラルです。しかしカルシウムだけを摂取しても、ビタミンDが足りなければ効果はありません。カルシウムやリンの吸収を助け骨の沈着を促すのがビタミンDだからです。
したがって、骨を成長期にわたる5歳以下の用事や、妊娠中、授乳中の女性には、特に多くのビタミンDが必要です。幼児に必要とされるビタミンDは成人の3〜4倍にもなります。
カルシウムは、その99%が骨に蓄積されているのですが、残りの1%が血液中や筋肉中に存在し、筋肉の機能を高めるなど、さまざまな生理作用をつかさどっています。
この作用を保つために、カルシウム摂取量が少なくなると、骨に蓄積されているカルシウムが使われます。
この調節もビタミンDの役割です。
また、カルシウム摂取量が少なくなったときに体内のカルシウムが無駄に尿中に排泄されないように腎臓で再吸収させる役割も担います。
最近では閉経後の女性や高齢者に多い骨粗しょう症の予防だけでなく、治療にもうビタミンDが有効だと言う報告があります。
1年半にわたって一定量のビタミンDとカルシウムを服用したところ骨密度が高くなったと言う結果が得られたと報告されています。
スポンサーリンク
適度に日光に当たっていれば所要量の半分は補える
ビタミンDは日光に当たらない人に、骨の弱る病気が多いことがきっかけとなって発見されたビタミンです。コレステロールを原料として、紫外線と化学反応を起こして皮膚組織で合成されるので、適度に日光に当たる生活をしていれば所要量の半分以上まかなえます。
反対に、室内にこもりがちの生活をしていると不足気味になります。最近の子供が骨折しやすいのは外で遊ばないために、ビタミンD不足になっていることが一因と言われています。
しかし、真っ黒に日焼けをしてしまうと、かえって、ビタミンDの合成能力が落ちるし、皮膚がんなどの危険性も高まってしまいます。
スモッグの多い地域や冬季に雪に閉ざされる地域では、日光からのビタミンD合成が期待できないので、食品から摂取する必要があります。
干ししいたけはビタミンDを多く含む食品です。
エルゴステリンという成分が、紫外線に当たるとビタミンDに変わるからです。
しかし最近では機械乾燥させた、干ししいたけが多く、これにはビタミンDが含まれていないので20から30分ほど日光には当てて、ビタミンDを補いましょう。
ビタミンDが不足すると、骨が歯が弱くなります。また、骨粗しょう症になったり、血管にカルシウムが沈着するため、動脈硬化になりやすくなります。子供では、骨が石灰化せずに背骨が曲がったり、O脚やX脚になる、くる病などを引き起こします。
スポンサーリンク